円安で救われている景気
――円安への慣れが怖い――2007.7.1
景気に翳りが見えてきた。国内の売上は伸び悩みではなく、減少してきている。
その景気を下支えしているのが輸出である。輸出関連の企業は相変わらず忙しい。人手不足が深刻なのも、これら一部の企業であり、それらの企業が活動している地域である。
輸出の数量が大量になっているだけではない。円安のお陰で手取りの円貨収入が増えており、輸出関連企業の収益に大きく貢献している。
このような状況が長く続いており、円安の背景は簡単に変化しないように思われている。それは基本的に円相場が円に対する需要と供給によって決まってくるからである。
膨大な資金余剰があるために、我が国の金利が異常に低くなっている。そのために円を売って外貨を買い、外貨を運用して利鞘を稼ごうとするのは自然の勢いである。これが現在の円安の根本的な要因となっている。
しかし、この傾向が今後も長く続けば、為替相場が上がっているヨーロッパやアメリカが音を上げることは目に見えている。彼らが何時まで我慢できるかの問題である。
要するに現在のような異常な円安が何時までも続くことは考えにくい。世界の為替相場が正常化する段階では、アメリカ経済が極端に縮小することになろう。それが全世界の経済に対して破滅的な悪影響を及ぼす。輸出に大きく依存している国々、特に中国への影響は計り知れない。その流れは我が国の景気を大きく引き下げるであろう。
異常な円安に慣れて、それが続かなければ、やっていけないような経済態勢にしておいてはならない。企業としても、個人生活においても、異常な事態がいつ正常になっても良いような心構えが必要である。
―――ISIDフェアネスパーフェクトWebへの寄稿(2007.7.1)から―――